FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第5節が15日に行われ、日本代表とインドネシア代表が対戦しました。歴代最強との呼び声高い日本代表は、FIFAワールドカップ26に向けたアジアの戦いで未だ無敗を継続しています。2次予選で6戦全勝無失点という圧巻の成績を残し、難敵が集う最終予選でもその勢いはとどまる所を知らず、ここまで3勝1分の勝ち点「10」で首位を快走しています。9月には中国代表を7-0、バーレーン代表を5-0で下し、先月には“鬼門”とされていたアウェイでのサウジアラビア代表戦を2-0で終えました。オーストラリア代表とは1-1のドローに終わったものの、日本代表の圧倒的な強さが示された一戦でした。
本記事では、この試合を通じて見えた日本代表の課題や可能性について、個人的な見解を交えながら詳細に分析していきます。特に、各局面での戦術的な動きや、課題および改善点について深掘りしていきます。
スターティングメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名(所属チーム/国) |
---|---|---|
GK | 1 | 鈴木彩艶(パルマ・カルチョ/イタリア) |
DF | 3 | 橋岡大樹(ルートン・タウン/イングランド) |
DF | 4 | 板倉滉(ボルシアMG/ドイツ) |
DF | 16 | 町田浩樹(ユニオン・サン・ジロワーズ/ベルギー) |
MF | 10 | 堂安律(フライブルク/ドイツ) |
MF | 6 | 遠藤航(リヴァプール/イングランド) |
MF | 5 | 守田英正(スポルティング/ポルトガル) |
MF | 7 | 三笘薫(ブライトン/イングランド) |
MF | 15 | 鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド) |
MF | 8 | 南野拓実(モナコ/フランス) |
FW | 19 | 小川航基(NEC/オランダ) |
サブメンバー
ポジション | 背番号 | 選手名(所属チーム/国) |
GK | 12 | 大迫敬介(サンフレッチェ広島) |
GK | 23 | 谷晃生(FC町田ゼルビア) |
DF | 2 | 瀬古歩夢(グラスホッパー/スイス) |
DF | 22 | 菅原由勢(サウサンプトン/イングランド) |
MF/FW | 14 | 伊東純也(スタッド・ランス/フランス) |
MF/FW | 9 | 古橋亨梧(セルティック/スコットランド) |
MF/FW | 18 | 大橋祐紀(ブラックバーン/イングランド) |
MF/FW | 11 | 前田大然(セルティック/スコットランド) |
MF/FW | 21 | 旗手怜央(セルティック/スコットランド) |
MF/FW | 17 | 田中碧(リーズ/イングランド) |
MF/FW | 13 | 中村敬斗(スタッド・ランス/フランス) |
MF/FW | 20 | 久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン) |
試合前の状況と注目ポイント
日本代表は現在、FIFAワールドカップ26に向けてアジア最終予選を戦っています。ここまでの試合では無敗を維持しており、チームは勢いに乗っています。この試合の前にも、中国代表やバーレーン代表に対して圧倒的な勝利を収め、難敵サウジアラビア相手にもアウェイで2-0の勝利を果たしました。一方で、オーストラリア代表との試合では1-1の引き分けに終わり、安定した強さを見せてはいるものの、チームとしてのさらなる成長が求められる状況にあります。
今回のインドネシア戦は、そうした中で日本代表の安定感とさらなる成長を確認するための重要な一戦となりました。試合前の注目ポイントとしては、攻撃面での多彩なオプションの展開、中盤でのゲームコントロール、そして守備面での安定感の持続が挙げられました。
試合内容の詳細
試合は雨が降りしきる中で行われました。序盤から日本がボールを保持し、インドネシアは5-4-1のブロックを形成して守備を固める展開となりました。9分には日本陣内にロングボールが蹴り込まれ、板倉滉が処理に手間取るシーンがありましたが、ラグナー・オラットマングーンとの1対1を鈴木彩艶が見事に防ぎ、大きなピンチを回避しました。
その後も日本はボールを保持しつつ、18分には中盤での細かなパスワークから右サイドへ展開。堂安律がクロスを上げ、小川航基が頭で合わせるも、枠を捉えることはできませんでした。さらに23分には、左から中央に絞った三笘薫が起点となり、鎌田大地が縦パスを引き出してミドルシュートを放ちましたが、これも得点には至りませんでした。
徐々に敵陣内にスペースが生まれる中、35分には高い位置を取った町田浩樹がボックス内の守田英正へ鋭いパスを通し、守田のワンタッチでのフリックから鎌田がラストパスを小川航基へ送ると、これがジャスティン・ハブナーのオウンゴールを誘発し、日本が待望の先制点を奪いました。さらに5分後、鎌田が前方のスペースにスルーパスを送り、抜け出した三笘が中央へ折り返し、南野拓実が左足で決めて2点目を奪いました。このように、日本は見事な崩しで追加点を挙げ、前半を2-0でリードして折り返しました。
後半の展開と戦術的な変化
後半開始と同時に日本は前田大然を投入し、前田が左ウイングバックに、三笘が2シャドーの一角にポジションを移しました。49分には、日本が前線からのハイプレスを行い、相手GKのパスミスを守田英正がカット。そのまま右足でゴール左下隅に流し込み、3点目を奪いました。
その後、日本はセットプレーからいくつかピンチを迎えましたが、守備陣が体を張った対応で失点を許しませんでした。62分には伊東純也と菅原由勢を投入し、菅原が右ウイングバックに入りました。そして69分、伊東と菅原の連携から右サイドを突破した菅原がボックス内に侵入し、厳しい角度から強烈なシュートをゴール左上に突き刺し、日本は4点目を奪いました。
試合終盤には、80分に大橋祐紀と旗手怜央を投入し、前線にフレッシュな力を加えました。終盤には大橋や旗手、伊東、前田らがチャンスを作り出しましたが、インドネシアも必死の守備で追加点を阻止しました。試合はそのまま4-0で終了し、日本がアジア予選無敗を継続しました。
試合を通して見えたチームの成長と課題
今回のインドネシア戦を通じて、日本代表の成長の余地と可能性を強く感じました。特に若手選手たちの積極的なプレーは、チームの未来に大きな希望を与えるものでした。彼らのスピードやフィジカル、そして個人技の高さは、日本代表に新たなダイナミズムをもたらしています。一方で、全体の連携や意思疎通においては、改善の余地が多く残っていることも明らかになりました。
特に、中盤でのビルドアップの際に選手間での共通理解が欠けている場面が見られ、これが攻撃の遅れやボールロストに繋がっていました。これらの課題に取り組むことで、日本代表はさらに高いレベルへと成長していけると確信しています。また、セットプレーの精度を高めることも、得点力を向上させるために必要な要素です。攻撃の多様性を増やし、相手にとって予測しにくいプレーを実現することで、チームの総合的な競争力を向上させることができるでしょう。
まとめと次の試合への期待
インドネシア戦の総括として、日本代表には明確な課題とともに大きな成長の可能性が見えました。攻撃面での連携の強化、中盤での創造力の向上、守備から攻撃への迅速な切り替えなど、多くの点で改善が求められます。しかし、若手選手たちの成長や積極的なプレースタイルには、大きな期待が持てます。彼らの成長は、日本代表の未来を明るく照らす重要な要素であり、次の試合に向けてさらなる飛躍を遂げることが期待されます。
次の試合でこれらの課題がどのように解決されるのか、そしてさらなる成長が見られるのか、引き続き注目していきたいと思います。また、今回の試合を振り返ることで得た教訓を活かし、チーム全体が一丸となって次のステージへと進んでいく姿を期待しています。次回の試合では、さらに一歩進んだ日本代表の姿を見ることができることを楽しみにしています。
※トップ・アイキャッチ画像引用元:YouTube JFATV Team Cam vol.01|アウェイ2連戦へ 第5戦開催の地インドネシアにてトレーニング開始|SAMURAI BLUE |AFC Asian Qualifiers – Road to 26